金曜キネマ Vol.120 『銀河鉄道の夜』 【横浜印刷会社のスタッフブログ】

不定期連載金曜キネマ。
第120回は『銀河鉄道の夜』
1985年公開作品です。



あらすじは映画.com先生にお任せで。

■STORY
宮沢賢治の童話を、「タッチ」の杉井ギサブロー監督がアニメーション映画化。
登場人物を擬人化した猫に置き換えたますむらひろしの漫画を原案に、細野晴臣による幻想的な音楽にのせて描くファンタジー。
病気の母と暮らし、帰らない父を待つ孤独な少年ジョバンニは、星祭りの夜に丘の上でひとり空を眺めていた。
すると目の前に銀河鉄道が現れ、導かれるように列車に乗ると、そこには親友のカムパネルラがいた。
2人は銀河を旅し、さまざまな人々と出会い、別れていくが、やがて旅の終わりの時が訪れ……。

珍しくアニメ映画をご紹介。
古い作品なので若い方はご存知ないかもしれませんが、これ、名作だと思うんですよね。

原作は宮澤賢治の『銀河鉄道の夜』。


僕はもうあのさそりのように
ほんとうにみんなの幸(さいわい)のためならば
僕のからだなんか百ぺん灼(や)いてもかまわない

昔CMで、本作のこの台詞が採り上げられていた事を思い出します。
童話とはいいながらも独特の言い回しが多く観念的・宗教的な彼の原作には、国語の授業以外で触れる方は意外と少ないかもしれません。

そんな方にお勧めなのがこの映画作品。
光よりも影をクローズアップしているような印象的な映像。
そしてアニメというよりも絵画のような趣。
今のアニメ程のシャープさはありませんが、落ち着きがあり、懐かしいようでもあり、それでいて独特な雰囲気は今観ても錆びてはいません。

確か私は小学生の時、授業の一環としてこの作品を観たのだと思います。
初めて観て以来、ずーーーーっと心に残っていた作品で、これまで何度か観なおしました。
宮澤賢治が好きだったこともあるのですが、思い返せば初めて思い入れを持った記念すべき映画作品だったかもしれません(笑)

さらに、今回とても久々に観直してみて気付いた事が。
作品中にジョバンニが働く活版所が出てくるんです。
印刷機がまわる工場の中で活字を拾うジョバンニが描かれています。
初めて観た時、その空気感に憧れた事を思い出しました。
これはもしや初めて思い入れを持った映画であると共に、私が初めて印刷というものに興味を持つきっかけを作った作品でもあったのかと(笑)

映像が美しいのに加え、細野晴臣さんが手がけた音楽は子供が観るアニメ映画の枠を大きくはみ出しながらも賢治の物語の世界観をしっかりと支えており、展開や台詞もかなり原作に忠実で私の持っていた『銀河鉄道の夜』のイメージにぴたりと当てはまります。
正直言って全体的にテンションが低めの作品なので(笑)派手な物語を見慣れたお子様は飽きてしまうかもしれませんが、これは大人にこそ観ていただきたい作品。
そこには現実があり、ファンタジーがあり、そして賢治の持つ死生観・宗教観がある。

物語の最後に語られるのは、銀河の旅を終えたジョバンニの「気付き」。
子供の頃には単に「印象に残った」だけだったこのシーンも、「ここにこの台詞をもってくるのか…上手いなぁ…」と、散々映画を観ている今は思います。
私はこれを観るととても切ない気持ちになるのですが、人によっては難解に感じるかもしれません。
しかしアニメ作品としても宮澤賢治作品の映像化としても、とても良くできている名作だと思います。
いつか、宮澤賢治に触れてみたくなったら是非この作品をどうぞ。

皆さま週末のご予定はお決まりですか?
たまには映画なんて、いかがですか?


blog@ikd

~横浜の印刷会社「関東プリンテック」です。印刷でお困りの際はお電話ください~
〒236-0004 横浜市金沢区福浦1-12-10 TEL:045-783-2311(代)